スペクトラムアナライザー|周波数成分を無料表示
音に含まれる周波数成分をリアルタイムに可視化する、無料のオンラインスペクトラムアナライザーです。対数間隔の48バンドバー表示により、音楽的なオクターブ関係を等間隔で直感的に把握できます。テストトーンの確認、ハムノイズの発見、左右チャンネルの比較に使えます。時間領域の波形を周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT)を行い、20 Hzから20,000 Hzの可聴全帯域にわたる音響エネルギーの分布を一目で把握できます。
操作パネル
耳を守りましょう。小さい音量から始めてください。聞こえないからといって音量を上げないでください。表示はdBFS(デジタル基準の相対値)であり、SPLではありません。
使い方
FFTで音声を周波数分析し、対数スケールのバーと履歴型スペクトログラムとして描画します。ピーク帯域の周波数とフルスケール基準のdBFSをテキスト表示します。Web Audio APIのAnalyserNode(FFTサイズ2048サンプル・平滑化係数0.75)を用い、ブラックマン窓による窓関数処理でバッファ端面の不連続性を滑らかに減衰させてスペクトル漏れを抑止し、可聴帯域を48分割の対数バンドにマッピングして描画しています。
On this page
再生ボタンで内蔵の1 kHzサインを鳴らすと、最も高いバーとピーク値が約1000 Hzを示せば正常です。ハムやノイズの確認では、50/60 Hz付近に不自然な山がないかを見てください。
スペクトログラムをオンにすると履歴が下方向に流れ、断続的な音やドロップアウトが見つけやすくなります。ピークホールドは各帯域の最近の最大値に細いマーカーを残します。青は左、アンバーは右チャンネルです。
入力ソースの切り替え:内蔵の1000 Hz基準信号のほか、外部マイクやオーディオインターフェースを接続して部屋の音響や楽器の倍音スペクトルをリアルタイムに解析できます。
対数周波数バーの読み取り:横軸は20 Hzから20,000 Hzまで対数スケール(Log)で配置され、音楽的な1オクターブ(周波数の倍々関係)が等しい幅で並びます。縦軸は−100 dBFSから0 dBFSまでのデジタルフルスケールです。
ステレオ表示モードと一時停止:L(左)、R(右)、L+R(左右重ね合わせ)を切り替えて左右の音響バランスや位相差を比較できます。「一時停止」ボタンを押せば再生音を止めずに画面の更新を静止でき、数値表示と合わせてピーク周波数を落ち着いて確認できます。
低域(40 Hz以下)の表示解像度はFFTのビン幅に制約されます。超低域の精密な測定には専用の音響解析ソフトウェアをご使用ください。
ISO 266準拠 1/3オクターブバンド中心周波数と音響帯域一覧
音響工学やスタジオ音響測定において、全可聴帯域(20 Hz〜20 kHz)を人間聴覚の臨界帯域幅に近い1/3オクターブ幅で分割するISO 266 / IEC 61260規格の中心周波数対照表です。
ミキシングにおける周波数トリートメントや、部屋鳴り(定在波)・機器ノイズのトラブルシューティングにおける着眼点をまとめています。
| 音響帯域分類 | 公称中心周波数 | 帯域通過範囲 (Hz) | 代表的な音響成分・楽器 | 音響診断・ミキシングの着眼点 |
|---|---|---|---|---|
| 超低音(サブベース) | 31.5 Hz | 28.1〜35.5 Hz | パイプオルガン超低音、サブキックの地響き | 部屋の構造定在波、空調機の低周波振動、不要な超低域カット |
| 重低音(サブベース) | 63 Hz | 56.2〜70.8 Hz | バスドラムの胴鳴り、60 Hz電源ハムノイズ | 商用電源(西日本60 Hz)誘導ノイズ検出、ベースの基音エネルギー |
| 低音(ミッドベース) | 125 Hz | 112〜141 Hz | ベースギターの芯、男性ボーカルの低域基音 | 部屋のフラッター・定在波の集中帯、低音のこもり(ブーミーさ) |
| 中低音(ローミッド) | 250 Hz | 224〜282 Hz | アコギのボディ鳴り、スネアドラムの基本胴鳴り | 未処理ルーム特有の箱鳴り感(ボックス感)、音の濁りの原因帯域 |
| 中音域(ミッドレンジ) | 500 Hz | 447〜562 Hz | ボーカルの厚み、管楽器の温かみ、ピアノ中音 | 明瞭度の基盤、コムフィルタリング(櫛形干渉)の顕在化帯域 |
| 基準中音(リファレンス) | 1,000 Hz | 891〜1,122 Hz | 標準1 kHzテストトーン、ソプラノの高域基音 | 音響システムのゲインステージング基準、DA変換直線性チェック |
| 中高音(アッパーミッド) | 2,000 Hz | 1,782〜2,245 Hz | エレキギターのアタック、声の輪郭・明瞭度 | 人間の聴覚感度が急上昇する帯域、過多による耳障りさ(ハーシュネス) |
| プレゼンス(高音域) | 4,000 Hz | 3,564〜4,490 Hz | 外耳道共鳴ピーク(ISO 226)、スネアのスナップ | 音の芯と前進感、子音のアタック、過多時の聴覚疲労 |
| ブリリアンス(高域の輝き) | 8,000 Hz | 7,127〜8,980 Hz | シンバルの余韻、ボーカルの擦過音(サ行・シビランス) | ディエッサー調整の対象帯域、プリアンプのホワイトノイズフロア |
| 超高域(エアー感) | 16,000 Hz | 14,254〜17,959 Hz | ハイハットの空気感、極高域のアンビエンス | AD/DAアンチエイリアシングフィルター境界、成人の可聴上限 |
FFT解析の数学と時間・周波数分解能のトレードオフ
高速フーリエ変換(FFT)は、時間領域の離散信号を周波数成分の複素数スペクトルへと高速展開するアルゴリズムです。しかし、ハイゼンベルク=ガボールの不確定性原理により、「時間分解能」と「周波数分解能」を同時に極限まで高めることはできません。
周波数ビン幅は Δf = fs / N(サンプリングレート fs、バッファサイズ N)で決定されます。48 kHzサンプリングでN = 2048の場合、ビン幅は約23.44 Hzとなり、低音域(40 Hzなど)では粗い解像度となります。バッファサイズを8192に増やすと約5.86 Hzまで精密化できますが、約170ミリ秒のバッファ蓄積遅延が生じ、速い打撃音に対する表示追従性が低下します。
| 窓関数の種類 | 主ローブ幅(帯域広がり) | 最大サイドローブ減衰量 | 周波数測定精度 | 適した用途・音響測定対象 |
|---|---|---|---|---|
| 矩形窓(窓なし) | 最も狭い(1.0 bin) | −13 dB(漏れが極めて大) | 鋭いピークのみ良好 | 過渡信号・インパルス応答、バッファ終端がゼロの信号 |
| ハニング窓(Hann) | 中程度(2.0 bin) | −31 dB(低サイドローブ) | 良好なバランス | 一般的な音楽・音声スペクトル解析、リアルタイム表示 |
| ハミング窓(Hamming) | 中程度(2.0 bin) | −43 dB(近傍減衰良好) | 良好 | 音声認識・フォルマント解析、通信工学 |
| ブラックマン窓(Blackman) | 広い(3.0 bin) | −58 dB(高周波漏れ抑制) | ピーク分離性に優れる | Web Audio API標準採用、微小高調波歪・ノイズ床測定 |
| フラットトップ窓 | 極めて広い(5.0 bin) | −93 dB(振幅誤差最小) | 振幅絶対値測定に特化 | 校正用トーンの正確なdBレベル測定(周波数分解能は犠牲) |
スペクトラムアナライザーの測定限界とトラブルシューティング
Webブラウザ上でのスペクトル測定時に、音響的な誤認や機器トラブルを防ぐためのポイントです。
- 内蔵MEMSマイクの周波数レスポンスの偏り:PCやスマートフォンの内蔵マイクは80 Hz以下が急峻に減衰し、高域(6 kHz〜10 kHz)に筐体共鳴のピークがあります。部屋の正確な周波数フラットネスを調べる場合は、平坦な周波数特性を持つ校正済み測定用マイクをご使用ください。
- OS側のエコー除去・ノイズ抑制による帯域カット:Web会議用のノイズキャンセリングが有効になっていると、持続的な楽音や背景音がノイズと判定されて消去されます。正確な音楽信号解析にはOSのサウンドコントロールパネルでマイクの信号強調をすべて無効に設定してください。
- 低域におけるビン分解能の限界:48 kHz / 2048サンプルの設定では、0 Hzから23.4 Hz、46.9 Hzといった飛び飛びの周波数でしかエネルギーを計算できません。そのため、30 Hzの単一サイン波を入力しても隣接する複数の帯域バーにまたがって幅広く表示されます。
- 電源ハムノイズ(50 Hz / 60 Hz)の特定:東日本の50 Hz、西日本の60 Hzの商用電源周波数は、機材のグラウンド不良や電磁誘導によって鋭いスパイクとして現れます。さらにその整数倍の高調波(100 Hz、150 Hz、180 Hzなど)が規則的に並んでいれば、電源由来のノイズであることが判別できます。
よくある質問
何が表示されますか?
20 Hz〜20 kHzの各周波数帯域のエネルギーをリアルタイムに表示します。最も大きい帯域の周波数とレベル(dBFS)がピーク値として読めます。
動作確認の方法は?
再生ボタンで内蔵の1 kHzサインを鳴らし、最も高いバーとピーク表示が約1000 Hzになることを確認してください。
青とアンバーのバーは?
青は左チャンネル、アンバーは右チャンネルです。L、R、L+Rを切り替えて、表示するチャンネルを選べます。
画面はちらつきませんか?
表示は滑らかに更新され、動きを減らす設定にも対応しています。一時停止も可能で、すべての表示にはテキストの代替があります。
FFT窓関数(ハニング窓・ブラックマン窓)とは何ですか?
有限長のバッファで切り出した音声信号の端部を滑らかにゼロへ減衰させ、不連続面による不要な偽高周波(スペクトル漏れ)を防止する重み付け関数です。本ツールはブラックマン窓相当の処理で正確なピーク検出を行います。
なぜ周波数軸はリニアではなく対数(ログ)表示なのですか?
人間の耳は周波数の倍々比(オクターブ関係)を等しい音程感覚として知覚するためです。リニア軸では高域に大半を奪われてしまいますが、対数軸なら低域から高域まで音楽的に均等な解像度で観察できます。