オシロスコープ|音声波形をリアルタイム表示
音声信号を「振幅×時間」の時間軸上にリアルタイム描画する、無料のオンラインオーディオオシロスコープです。トーンの対称性やクリッピングの有無、左右チャンネルの位相差を1サンプル単位で確認できます。内蔵のテストサインで基準も取れます。Web Audio APIのAnalyserNodeから時間領域データを取得し、マイク入力やテスト音のゼロ交差、過渡応答(トランジェント)、ステレオ位相の一致度を直感的に視覚化します。
操作パネル
耳を守りましょう。小さい音量から始めてください。聞こえないからといって音量を上げないでください。表示はdBFS(デジタル基準の相対値)であり、SPLではありません。
使い方
Web Audioのアナライザーから時間領域データを取得し、設定したタイムベースとゲインでリアルタイム描画します。ピーク値はフルスケール基準のdBFSでテキスト表示します。バッファサイズ4096サンプルの時間領域データを読み出し、波形の立ち上がりゼロ交差(Zero-Crossing)を自動検出して描画の起点位相を整えることで、画面上の波形の横流れを防ぎ安定した波形静止表示を実現しています。
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内蔵テストサインを再生し、波形が滑らかで対称、ゼロ交差の間隔が均等であることを確認します。上部や下部が平らに潰れていればクリップ、ギザギザしていればノイズや歪みのサインです。チャンネルを切り替えて左右両方の信号を確認してください。
タイムベースは音を変えずに画面に収まる周期数を変え、ゲインは小さい信号を縦に拡大します。一時停止で波形を固定でき、状態はテキストでも読み上げられるため、キーボードやスクリーンリーダーでも確認できます。
入力ソースの選択:内蔵の440 Hz基準サイン波発振器を使って表示をテストするか、マイク・オーディオインターフェース入力を選んで外部の楽器や音声を直接取り込みます。
タイムベースの調整:時間軸(Timebase)は1 ms、2 ms、5 ms、10 ms、20 ms、50 msから選択できます。周期 T = 1 / f の関係により、440 Hzのサイン波(周期約2.27 ms)は5 msのタイムベースで約2.2周期、1000 Hz(周期1.0 ms)はちょうど5周期が画面にきれいに収まります。
チャンネル個別表示と一時停止:左チャンネル(スカイブルー)、右チャンネル(アンバー)、または両チャンネル重ね合わせを切り替えられます。左右の位相差やパンの偏りを目視確認できます。「一時停止」ボタンを押せばリアルタイムキャプチャをその場で静止させ、立ち上がり波形をじっくり観察できます。
画面描画はディスプレイのリフレッシュレート(60 Hz〜120 Hz)に同期します。極めて短い過渡音は一時停止機能を使って観察してください。
波形種別ごとの幾何構造とクレストファクター対照表
音波の時間軸波形は、その音色に含まれる倍音構造やエネルギー分布を直接反映しています。波形の頂点(ピーク値)と実効値(RMS)の比率を「クレストファクター(波高比)」と呼び、アンプやスピーカーのヘッドルーム設計における最重要指標となります。
オシロスコープで観察される代表的な基本波形およびオーディオ信号の音響特性一覧です。
| 波形・信号種別 | クレストファクター (dB) | ピーク/RMS比 | ゼロ交点・幾何構造 | 音響・機器診断における用途 |
|---|---|---|---|---|
| 純粋サイン波(正弦波) | 3.01 dB | 1.414(√2) | 等間隔・滑らかな連続対称カーブ | 基準レベル校正、アンプの全高調波歪(THD)測定 |
| 対称矩形波(スクエア) | 0.00 dB | 1.000 | 瞬間的な垂直遷移と水平プラトー | 過渡応答特性テスト、デジタルクロック同期確認 |
| 対称三角波(トライアングル) | 4.77 dB | 1.732(√3) | 急峻な頂点と直線的なスロープ | スルーレート(スルー歪)検証、アナログシンセ調整 |
| ノコギリ波(ソートゥース) | 4.77 dB | 1.732(√3) | 直線的ランプと瞬間的なフライバック | VCFフィルター特性テスト、倍音豊かな弦・金管音色解析 |
| ハードクリップ波形 | < 1.50 dB | 1.000に漸近 | ±1.0(0 dBFS)での平坦な潰れ | プリアンプ過大入力検出、デジタルヘッドルーム監視 |
| ピンクノイズ(−20 dBFS) | 約12.0 dB | 約4.000 | 確率的・不規則なゼロ交差 | スタジオ室内音響加振、スピーカーのエージング |
| 人間の話し声(音声) | 12.0〜18.0 dB | 4.000〜8.000 | 非対称な波形パケットの連続 | マイクゲイン適正化、音声明瞭度・子音アタック解析 |
時間軸(タイムベース)と周期・周波数の計算物理
オシロスコープの時間軸表示は、音波の周波数 f(Hz)と基本周期 T(秒)の逆数関係 T = 1 / f に基づいています。画面に表示される波形の周期数は、設定したタイムベース幅(ミリ秒)を信号の周期 T で割ることで計算できます。
標準的なサンプリングレート48 kHz(サンプル間隔約20.83マイクロ秒)における各周波数の周期とサンプル数の関係です。
| 周波数 (Hz) | 基本周期 T (ms) | 5 msタイムベースでの表示周期 | 20 msタイムベースでの表示周期 | 48 kHzでの1周期あたりサンプル数 |
|---|---|---|---|---|
| 100 Hz(低音) | 10.0 ms | 0.5 周期(半波長のみ) | 2.0 周期 | 480 サンプル |
| 440 Hz(基準音A4) | 約2.27 ms | 約2.2 周期 | 約8.8 周期 | 約109 サンプル |
| 1,000 Hz(基準サイン) | 1.00 ms | 5.0 周期(ぴったり5波) | 20.0 周期 | 48 サンプル |
| 5,000 Hz(高域) | 0.20 ms | 25.0 周期 | 100.0 周期 | 9.6 サンプル |
| 10,000 Hz(超高域) | 0.10 ms | 50.0 周期 | 200.0 周期 | 4.8 サンプル |
トリガー動作・エイリアシングと波形観察のトラブルシューティング
ブラウザのオシロスコープで波形が乱れたり、意図しない形状で表示される場合の技術的要因と対策です。
- 波形の横流れとジッター:ノイズ成分が多い信号や和音(コード)を入力すると、ゼロ交差検出点がフレームごとに変動して波形が左右に揺れるジッターが発生します。「一時停止」ボタンを押してバッファを静止させると、細部を正確に点検できます。
- 高周波での折れ線表示(描画エイリアシング):48 kHzサンプリング環境では、10 kHzを超える高周波音は1周期あたり数サンプルしか存在しません。画面上のCanvas描画が直線補間を行うため粗い折れ線に見えますが、これは表示上の解像度限界であり音声データ自体の欠損ではありません。
- 直流バイアス(DCオフセット)の偏り:波形の中心線がゼロ軸から上下に浮き上がっている場合、オーディオ機器の入力回路にDCオフセットが生じています。ヘッドルームを圧迫し波形編集時のポップノイズの原因となるため、ハイパスフィルターでの除去が必要です。
- OSの音声処理によるエンベロープ変形:Windowsのオーディオ拡張機能やmacOSのノイズ除去が有効な場合、アタック音の立ち上がりが潰れたり波形が不自然に減衰します。正確な波形観察にはOSのオーディオ設定をフラットに設定してください。
よくある質問
オシロスコープには何が表示されますか?
音声波形の振幅を時間軸に沿って描いたものです。サイン波は滑らかな繰り返し、クリップは上部が平ら、ノイズはギザギザに表示されます。
タイムベースとは?
画面に収める時間幅の設定です。短くすると数周期が大きく表示され、長くすると多くの周期が圧縮されて表示されます。音自体は変化しません。
ゲインは何をしますか?
描画を縦方向に拡大して波形を観察しやすくします。音量そのものは変わらない表示上の拡大です。
数値の読み取りはできますか?
できます。波形上部にテスト周波数、タイムベース、ゲイン、ピーク値(dBFS)が常時表示されます。
トリガー機能(波形の静止・安定表示)はどのように働きますか?
波形が負から正へとゼロを通過する「立ち上がりゼロ交差」を検出して描画開始位置を揃えています。これにより画面上の波形が激しく横に流れるのを防ぎます。一時停止ボタンで完全な静止観察も可能です。
デジタルクリッピングとエイリアシングはどう見えますか?
0 dBFS(振幅±1.0)を超えた過大入力は波形の頂点が水平に削られ(クリップ)、奇数次高調波歪みを生じます。また高周波信号ではサンプル数が不足して波形が粗い多角形(折れ線状)として描画されます。