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ギター初心者の練習曲:最初に挑戦したい定番曲の選び方

ギター初心者向けの練習曲の選び方を難易度の目安つきで解説。定番の弾き語り曲やロック、童謡まで、無理なく弾き通すための練習法とカポタストの活用法を紹介します(歌詞・タブ譜・コード譜の掲載はありません)。

ギター初心者が最初の練習曲を選ぶ際は、「登場するコードが3〜4種類以内であること」「テンポがゆったりとしていてコードチェンジの頻度が低いこと」「人差し指で全弦を押さえるバレーコード(Fコードなど)を含まない、またはカポタストで回避できること」の3点を満たす楽曲を選ぶことが、最短で弾けるようになるための重要な基準です。指の形を覚えたばかりの段階で難易度の高い楽曲に挑むと、コードチェンジが追いつかず挫折の原因になりやすいため、まずは基本のオープンコードだけで最後まで演奏できる楽曲から始めるのが確実です。

この記事では、初心者が無理なく弾き通せる楽曲の見分け方から、ジャンル別の定番練習曲リスト、曲を途切れさせずに弾くための分解練習法、メトロノームや音源に合わせるコツ、カポタスト(カポ)を活用して自分のキーに合わせる方法までを体系的に解説します。実際の練習に入る前には、ギターチューナーで開放弦を正確に調弦し、指の形に迷ったときはブラウザ上でコードの響きを確認できるバーチャルギターを活用してください。全体の学習の流れについてはギター初心者ガイドやギター練習ガイドでも詳しくまとめています。


1. 挫折しない練習曲の選び方:難易度を見分ける4つの要素

ギターを始めて間もない頃は、「好きな曲だから」という理由だけで曲を選んでしまい、途中で複雑なコードや高速なコードチェンジに直面して練習が止まってしまうケースが少なくありません。譜面や曲を選ぶ際は、以下の4つの要素を確認して難易度を判断します。

コードの総数と種類の確認

楽曲全体を通して使用されるコードが3つから4つ程度に収まっている曲は、初心者にとって理想的な練習曲です。特に、ヘッド側の開放弦を含んだ基本オープンコード(C・G・D・A・E・Am・Em・Dm)のみで構成されている楽曲であれば、左手の押さえ方をシンプルに保つことができます。コードブックやコード検索サイトで曲を調べる際は、まず曲中で使われるコードの一覧を確認し、知らないコードや特殊なテンションコード(add9、dim、augなど)が多く含まれていないかを確かめます。基本コードの押さえ方についてはギターコード初心者ガイドで詳しく解説しています。

コードチェンジのテンポと切り替え速度

曲のテンポ(BPM)が速すぎる曲や、1小節の中に2回も3回もコードチェンジが入る曲は、左手の運指が追いつきにくくなります。初心者のうちは、BPMが70〜100程度のゆったりとしたバラードやミディアムテンポの楽曲で、コードチェンジが1小節に1回(4拍に1回)、あるいは2小節に1回にとどまる曲を選ぶのが安全です。小節の頭で余裕を持ってコードを押さえ直せる曲から始めることで、リズムを崩さずに演奏する基礎体力が身につきます。

バレーコード(F・Bmなど)の有無

初心者の最大の関門とされるFコードやBmコードなどの「バレーコード(セーハ)」は、人差し指1本で複数の弦を同時に押さえる技術が必要です。指の筋力や押さえ方のコツが身についていない段階でバレーコードが頻出する曲を選ぶと、音が出ずに手が疲労してしまいます。まずはバレーコードが一切登場しないキー(Key=GやKey=C、Key=Emなど)の曲を選ぶか、後述するカポタストを用いてオープンコードのフォームへ変換できる楽曲を選びます。どうしてもFコードが必要な場合でも、低音弦を省略した簡易フォームで代用できる曲を選ぶのが現実的です。

カポタスト(カポ)による難易度調整

カポタストをネックの特定フレットに装着することで、楽曲の原曲キーを保ったまま、押さえるコードフォームを親しみやすいオープンコードに変換できます。例えば原曲が変ホ長調(Key=E♭)のような弾きにくい調であっても、カポを1フレットまたは3フレットに装着することで、CメジャーやGメジャーのコードフォームでそのまま演奏できるようになります。譜面を探す際に「Capo 2」「Capo 3」といった指定がある曲は、初心者でも押さえやすいフォームに配慮されている証拠です。

難易度の判定項目 初心者向け(易しい) 中級準備(ふつう) 避けるべき曲(難しい)
使用コード数 3〜4個のオープンコード 5〜6個(簡単なセブンス含む) 7個以上・複雑なテンションコード
コードチェンジ速度 1小節に1回(4拍ごと) 2拍に1回(1小節に2回) 1拍単位の連続チェンジ・食うリズム
バレーコード なし(オープンコードのみ) 1曲中にFコードが1箇所程度 F・Bm・B♭などが頻繁に連続
テンポ(BPM) 60〜90(ゆったり) 90〜120(標準的) 130以上(高速なストローク必須)
カポタストの活用 カポ装着で基本形に変換可能 カポなしで移調が必要 転調が多くカポ位置の変更が困難

2. 定番アコースティック・弾き語りの練習曲

アコースティックギターの弾き語りや伴奏の練習には、コード進行の反復が多く、オープンコードの美しい響きを活かせる名曲が適しています。国内外で世代を超えて親しまれている定番曲は、シンプルな構成でありながら音楽的な完成度が高く、練習の達成感を得やすいのが特徴です。

※著作権保護方針に基づき、本記事では曲名、アーティスト名、難易度の目安、練習ポイントのみを掲載しています。歌詞、タブ譜、コード進行そのものの掲載はありません。

曲名 アーティスト名 難易度の目安 主な練習ポイント
スタンド・バイ・ミー
(Stand by Me)
ベン・E・キング
(Ben E. King)
易しい 同じパターンのコード進行が全体を通じて繰り返されるため、リズムキープとコードチェンジの安定化に最適です。4拍ごとの規則正しいダウンストロークで基礎を固められます。
Knockin’ on Heaven’s Door ボブ・ディラン
(Bob Dylan)
易しい テンポが非常にゆったりしており、基本のオープンコードを落ち着いて切り替える練習に適しています。ストロークの強弱を意識する入門曲としても優れています。
マリーゴールド あいみょん 易しい〜ふつう カポタストを装着することでオープンコード主体のフォームで演奏できます。サビでの軽快なストロークと、親しみやすいメロディに合わせた伴奏の呼吸をつかむのに適しています。
チェリー スピッツ ふつう オープンコードが中心ですが、途中で登場するバレーコード(Fなど)の克服練習として定番の1曲です。16ビートの軽やかなストロークのリズム感を養うステップアップに適しています。
日曜日よりの使者 THE HIGH-LOWS 易しい 3〜4種類のシンプルなコードの循環で構成されており、一定のテンポで腕を振り続けるストロークの持久力とビート感を身につけるのに最適です。

定番の弾き語り曲を練習する際は、最初から原曲と同じような複雑なストロークパターンを真似しようとせず、まずは小節の1拍目に「ジャーン」と1回だけダウンストロークを行う「全音符ストローク」で練習を始めます。左手のコードチェンジが指に馴染んでから、4分音符(1小節に4回ダウン)、8分音符(ダウン・アップの繰り返し)へと徐々に右手の動きを細かくしていくと、途中で演奏が止まるのを防げます。


3. ロック・エレキギターの練習曲

エレキギターを手にした初心者は、コードのストロークだけでなく、単音での印象的なギターリフや、低音弦を強調した「パワーコード」を使ったバッキングから始めるのが効果的です。アンプから歪んだ音(オーバードライブやディストーション)を鳴らしながら弾くことで、ピッキングの力加減や不要な弦の消音(ミュート)の重要性を自然と学べます。

曲名 アーティスト名 難易度の目安 主な練習ポイント
Smoke on the Water ディープ・パープル
(Deep Purple)
易しい ロック史上最も有名なギターリフの一つです。指2本で2つの弦を同時に弾く複音リフの基礎を習得でき、フレットの移動と音の立ち上がりの練習になります。
Smells Like Teen Spirit ニルヴァーナ
(Nirvana)
易しい〜ふつう パワーコードの左右への平行移動と、左手で弦に軽く触れて打楽器的な音を出すブラッシング(カッティングミュート)のメリハリを体得できます。
Iron Man ブラック・サバス
(Black Sabbath)
易しい 単音での重厚なリフとスライド奏法(指を滑らせて音程を移行する奏法)の入門に適しています。テンポが落ち着いており、1音1音を確実に鳴らす感覚を養えます。
小さな恋のうた MONGOL800 易しい〜ふつう 全編にわたってルート音と5度音のみを押さえるパワーコードで演奏できるロックナンバーです。直進性のある8ビートのオルタネイトピッキング(上下交互)の鍛錬になります。
American Idiot グリーン・デイ
(Green Day)
ふつう ドライブ感のあるパワーコードの素早い移動と、右手のブリッジミュート(弦の根元に手のひらを軽く当てて音を短く切る奏法)の組み合わせを練習できます。

エレキギターの練習では、左手で押さえている弦以外の弦が共鳴して雑音(ノイズ)にならないよう、人差し指の腹や右手の側面で余分な弦に触れて消音する「ミュート」の技術が不可欠です。パワーコードは人差し指と薬指(または小指)の2〜3本だけで押さえられるため、指板を横断するコード移動の練習としても優れており、バレーコードがまだ押さえられない段階でも本格的なロックの響きを楽しむことができます。


4. J-POP・ポップスの練習曲

近年ヒットしているJ-POPや洋楽ポップスは、コード進行の工夫やテンポの心地よさが特徴であり、弾いていて楽しい楽曲が豊富に揃っています。歌のメロディを引き立てるバッキングや、カポタストを上手に使ったコードの簡略化を学ぶのに適しています。

曲名 アーティスト名 難易度の目安 主な練習ポイント
奏(かなで) スキマスイッチ ふつう カポタストを装着することで、アコースティックギターの柔らかな響きを最大限に活かせるオープンコードフォームで伴奏できます。丁寧なアルペジオや強弱の練習に適しています。
ドライフラワー 優里 ふつう カポタストを用いることでオープンコード主体の進行になります。アコースティックギターならではのダイナミクス(Aメロの静けさとサビの力強いストロークの対比)を学べます。
猫 DISH// ふつう ゆったりとしたテンポ感の中で、コードチェンジの余韻を味わいながら弾く練習になります。語りかけるような歌とギターの一体感をつかむのに向いています。
Let It Be ザ・ビートルズ
(The Beatles)
易しい〜ふつう ピアノ主体の原曲ですが、ギターのオープンコードに置き換えて演奏する定番曲です。1拍ごとに規則正しくリズムを刻み、ベース音の動きを意識する練習になります。
Counting Stars ワンリパブリック
(OneRepublic)
易しい〜ふつう カポタストを活用した循環コード進行が曲の骨格をなしています。リズミカルなカッティングやストロークでダンスビートのような推進力を出す練習に最適です。

J-POPの楽曲は、曲の途中で転調したり、展開ごとに異なるコード進行が現れたりすることがあります。初心者が挑戦する場合は、まずイントロやサビなど、自分が一番よく知っている印象的なセクションを1箇所だけ抜き出して練習するのが挫折を防ぐコツです。1つのセクションが滑らかに弾けるようになってから前後のパートを繋げていくことで、無理なく1曲全体を仕上げることができます。


5. 童謡・伝統曲(パブリックドメイン)

著作権が消滅している伝統曲や童謡(パブリックドメイン楽曲)は、誰もがメロディを記憶しており、コード進行やリズムが極めてシンプルであるため、楽器練習の最初の第一歩として世界中で活用されています。

曲名 作曲・発祥 難易度の目安 主な練習ポイント
きらきら星
(Twinkle, Twinkle, Little Star)
フランス民謡 易しい 単音メロディ弾きの入門として最適です。フレットの位置と音の並びを視覚的に把握でき、1本の弦から複数弦への移動練習に適しています。
アメイジング・グレイス
(Amazing Grace)
トラディショナル 易しい 3拍子(ワルツ)のリズムを持つ名曲です。ゆったりとしたテンポの中で、1拍目を強く弾くリズムパターンと穏やかなコードチェンジを学べます。
聖者の行進
(When the Saints Go Marching In)
アメリカ民謡 易しい 明るく跳ねるようなリズム感が特徴です。シンコペーション(リズムの前倒し)を意識しながら、数種類の主要コードで軽快に伴奏する基礎を身につけられます。
ハッピーバースデートゥーユー
(Happy Birthday to You)
トラディショナル 易しい 3拍子の短い楽曲で、日常生活のイベントでも披露できる実用的な練習曲です。小節ごとの拍の数え方と、シンプルなコード進行の移行を確実に確認できます。
大きな古時計
(My Grandfather’s Clock)
ヘンリー・クレイ・ワーク 易しい〜ふつう 落ち着いたテンポで展開するメロディアスな楽曲です。コードストロークだけでなく、親指で低音弦、他の指で高音弦を爪弾くアルペジオの導入練習としても優れています。

※パブリックドメインのメロディに関する詳細な単音TAB譜の読み方と実例は、後日公開予定のタブ譜解説ガイドにて詳しく取り上げます。まずは耳馴染みのある音の並びを意識しながら、左手の運指とピッキングの連動を確認してください。

パブリックドメイン楽曲で学ぶ主要3和音の基本構造

多くの伝統曲や童謡は、楽曲の骨格となる「主要3和音(トニック・サブドミナント・ドミナント)」のみで伴奏が成立します。特定のコード進行を機械的に暗記するのではなく、和音の機能的な役割を理解するための教則ポイントとして活用できます。

  • Cメジャーキー(ハ長調)の例: 主音を支える安定した「C(トニック)」、横への広がりを生む「F(サブドミナント)」、そして主音へ強く戻ろうとする緊張感を持った「GまたはG7(ドミナント)」の3つが基本となります。
  • Gメジャーキー(ト長調)の例: Fコードのバレー(セーハ)を避けたい場合は、Gメジャーキーを想定することで「G・C・D(またはD7)」というすべて基本オープンコードの組み合わせで伴奏の仕組みを体感できます。

※本サイトでは著作権保護および教則方針に基づき、個別楽曲の印刷用譜面やコード進行表の掲載は行っておりません。基本コードの押さえ方はギターコード初心者ガイドを参照し、メロディの響きに合わせて和音の役割を耳で確かめてみてください。


6. 曲が弾けないときの分解練習法

「コード単体なら押さえられるのに、曲に合わせて弾こうとすると指が止まってしまう」というのは、ギター初心者が必ず直面する壁です。曲を途切れさせずに弾けるようにするためには、通し練習を繰り返すのではなく、原因となっている箇所を細かく分解して克服する「部分練習」が必要です。

1小節・8小節単位のセクション練習

曲の最初から最後までを一気に弾こうとすると、間違えるたびに演奏が中断し、練習効率が著しく低下します。まずはイントロの4小節、あるいはAメロの8小節といった短いブロックに区切り、その範囲だけを完璧に弾けるようになるまで反復します。小さなブロックの完成度を積み重ねていくことで、演奏中の集中力を保ちやすくなり、自分がどこでつまずいているのかを明確に特定できます。

2コード間の往復練習

コードチェンジで音が途切れる最大の原因は、特定のコードから次のコードへの手の移動経路が整理されていないことにあります。例えば「CコードからGコードへの切り替え」で遅れるのであれば、曲の演奏はいったん止め、CとGの2つのコードだけを往復する練習を集中的に行います。

  1. 共通の指や軸になる指(アンカーフィンガー)を探す:切り替えの際に指板から離さずに済む指や、形をスライドさせるだけで済む指がないかを確認します。
  2. 空中で指の形を作る(エアチェンジ):指板に指をつける前に、弦から離した空中で次のコードの形をあらかじめ作ってから、同時にフレットへ着地させる意識を持ちます。
  3. 1分間チェンジ測定:タイマーを1分間にセットし、メトロノームに合わせて何回スムーズに切り替えられたかを記録します。継続することで左手の筋肉の記憶(マッスルメモリー)が定着します。

スローテンポからの段階的アプローチ

原曲の速さで弾けないフレーズは、テンポを大幅に落として練習します。メトロノームのテンポを原曲の50%〜60%(例えば原曲がBPM 120ならBPM 60〜70)に設定し、絶対にミスタッチをしないゆったりとした速度で正確に弾く感覚を指と耳に覚え込ませます。ゆっくりでも正確に弾けるようになったら、BPMを5ずつ上げていき、目標のテンポまで段階的に引き上げていきます。

【段階的テンポアップの流れ】
原曲テンポ(例: BPM 120)
  ↑
  ├─ ステップ4: BPM 110〜120(原曲速度での通し・細部の仕上げ)
  ├─ ステップ3: BPM 90〜100(リズムを安定させダイナミクスを意識)
  ├─ ステップ2: BPM 75〜85(コードチェンジを途切れさせない)
  └─ ステップ1: BPM 60(極限までゆっくり・確実なフォームの確認)

7. メトロノームや音源に合わせるトレーニング

一人でギターを弾いていると、無意識のうちにコードチェンジが難しい箇所でテンポが遅くなり、得意な箇所で速くなるといった「テンポの揺れ」が生じやすくなります。安定したリズム感を養い、バンド演奏や弾き語りで通用する演奏力を身につけるには、外部の正確なクリックや音源に合わせるトレーニングが欠かせません。

メトロノームを活用した小節感覚の育成

練習を始める際は、まずブラウザで使えるメトロノームを起動し、4拍子のクリック音を鳴らします。1拍目のアクセント音を意識しながら、小節の頭で確実にコードのダウンストロークが着地するように練習します。ストロークが少しでも遅れる場合は、左手の押さえが完全に完了していなくても、右手のストロークだけは拍のタイミングに合わせて振り下ろす習慣をつけます。右手を止めないことで、演奏が崩れても次の小節で復帰するリズムキープの力が養われます。より詳しいリズムトレーニングの手順についてはメトロノーム練習ガイドをご覧ください。

カラオケ音源や原曲に合わせる際の注意点

原曲やマイナスワン(カラオケ)音源に合わせて演奏することは、曲のダイナミクスやアンサンブルの楽しさを体感する絶好の練習法です。ただし、音源に合わせる際は以下の点に注意します。

  • まずは音源を聴きながら左手だけのエアチェンジを行う:ギターの弦を鳴らさず、曲のコード進行に合わせて左手のコードフォームを切り替えるタイミングを確認します。
  • 歌のメロディに惑わされずドラムとベースを聴く:ボーカルの歌い回しは拍に対して前後することがあります。リズムの基準は常にドラムのスネアやバスドラム、ベースの低音に合わせて捉えます。
  • 音源の再生速度を変更できるツールを活用する:最近の動画配信サービスや音楽再生アプリには、音程(ピッチ)を変えずに再生速度だけを0.75倍などに落とせる機能があります。原曲のテンポが速い場合は、再生速度を落とした音源に合わせて練習すると効果的です。

8. カポタストの活用とキー調整の考え方

カポタスト(Capo)は、ギターのネックに挟み込んで開放弦の音程を高くするための道具です。初心者にとっては「難しいコード進行を簡単なオープンコードに変換する救世主」であり、ボーカルの音域に合わせて伴奏のキーを微調整する際にも欠かせません。

カポタストの基本的な仕組み

ギターの指板は、フレットが1つ高くなるごとに半音ずつ音程が上がります。例えば、ナットの位置にある標準チューニングのギターにカポタストを2フレットに装着すると、開放弦のピッチが全音(2半音)上がります。この状態でCコードのフォームを押さえて弾くと、実際の響きは2半音高いDメジャーコードになります。

カポタストの装着位置 Cコードフォームで弾いた実音 Gコードフォームで弾いた実音 Amコードフォームで弾いた実音
カポなし(開放) C G Am
1フレット(Capo 1) D♭(C♯) A♭ B♭m
2フレット(Capo 2) D A Bm
3フレット(Capo 3) E♭ B♭ Cm
4フレット(Capo 4) E B C♯m
5フレット(Capo 5) F C Dm

このように、カポタストを装着することで、本来であればバレーコードを押さえなければならないキーであっても、CやG、Amといった指への負担が少ないオープンコードの形のまま演奏できるようになります。

歌いやすいキーへの移調

弾き語りをする際、原曲のキーが高すぎて声が出ない、あるいは低すぎて歌いにくいという問題が頻繁に起こります。自分の声に合った高さにキーを変更することを「移調(トランスポーズ)」と呼びます。

男性の曲を女性が歌う場合や、女性の曲を男性が歌う場合は、カポタストの装着位置を上下させることで、コードフォームを変えずに歌いやすい音域へ調整できます。調号やコードの理論的な関係性を整理したいときは、五度圏を参照すると、どのキーがどの調号に対応しているかを直感的に把握できます。


9. よくある質問(FAQ)

Q1. Fコードがどうしても押さえられないのですが、弾ける練習曲はありますか?

あります。Key=GやKey=Emの楽曲であれば、G・Em・C・Dといった基本オープンコードだけで構成されており、Fコードを一切使わずに演奏できる曲が数多く存在します。また、Fコードが出てくる曲であっても、1弦と2弦を人差し指の腹で同時に押さえ、6弦を弾かない「Fの簡易フォーム(省略コード)」で代用すれば、バレーコードが完成していなくても曲の練習を進めることができます。

Q2. エレキギターとアコースティックギターで練習曲の選び方は違いますか?

向き不向きがあります。アコースティックギターは生音が豊かに響くため、コードのジャカジャカとしたストロークやアルペジオによる弾き語り曲が適しています。一方、エレキギターは弦の張力が柔らかくフレット間が押さえやすいため、パワーコードによるロックリフや単音カッティングなど、アンプを通した歯切れの良いサウンドを活かせる楽曲を選ぶと上達を実感しやすくなります。

Q3. 1曲を最初から最後まで弾けるようになるにはどれくらいの期間が必要ですか?

毎日20〜30分程度、適切な難易度の楽曲を部分練習で進めた場合、シンプルな3〜4コードの曲であれば2週間から1ヶ月程度で最後まで止まらずに通せるようになります。完璧な音質や高速なストロークを目指すのではなく、まずは「コードチェンジで演奏を止めずに最後まで弾ききる」ことを目標にすると、達成感を早く味わうことができます。

Q4. 練習曲の譜面やコード表はどこで探せばよいですか?

インターネット上の無料コード検索サイト(U-FRETやJ-Total Music、ChordWikiなど)を利用するのが一般的です。これらのサイトでは、楽曲の歌詞の上にコード名が配置されており、カポタストの推奨位置や「簡単弾き(初心者向けコード変換)」機能が用意されていることが多いため、練習曲探しに非常に役立ちます。また、市販の「初心者向けギター弾き語りスコア」を購入すると、ダイアグラム図付きで見やすく整理された譜面で練習できます。

Q5. 原曲のテンポが速すぎて指の切り替えが追いつかないときはどうすればよいですか?

最初から原曲のスピードに合わせようとせず、メトロノームを使ってテンポを大幅に落とした状態から練習してください。BPMを半分程度に落とし、コードチェンジの直前で指の移動準備を始める感覚を掴むことが重要です。また、ストロークを8ビートではなく、1小節に1回だけジャーンと弾く「全音符ストローク」に簡略化して曲全体を通す練習も効果的です。

Q6. 練習曲は最初から自分の好きな曲を選んでも良いですか?

モチベーションを維持する上で「好きな曲を弾きたい」という気持ちは非常に大切です。ただし、その曲に複雑なバレーコードや速いコードチェンジが含まれている場合は、メインの練習曲としていきなり挑むと挫折しやすくなります。まずは3〜4コードで弾ける簡単な練習曲でコードチェンジの基礎を固めつつ、並行して「好きな曲のサビの数小節だけをゆっくり練習する」といった形で段階的に取り組むのがおすすめです。


10. 関連ツール

ギターの練習を効率的に進めるために、以下の無料Webツールや関連ガイドをご活用ください。

学術・科学参考文献