知覚スイープ(ERB帯域確認)|20 Hz〜20 kHz音源

知覚スイープ(ERB帯域確認)は、内耳の聴覚フィルターモデルである等価矩形帯域幅(ERB)に準拠し、20 Hzから20 kHzの可聴域全体を均等な知覚間隔でステップ走査する無料のオンライン音源ツールです。物理周波数の等差・等比スイープとは異なり、耳の臨界帯域1バンドごとに等しい滞留時間を割り当てるため、低域はゆっくり、高域は速く通過し、音高の上昇感覚が極めて均一に知覚されます。16〜48ステップ(標準32ステップ)の切り替えに対応し、スピーカーやヘッドホンの再生能力や、部屋の音響特性の把握に役立ちます。

操作パネル

耳を守りましょう。小さい音量から始めてください。聞こえないからといって音量を上げないでください。表示はdBFS(デジタル基準の相対値)であり、SPLではありません。

使い方

ERB(等価矩形帯域幅)スケールで16〜48ステップに分割し、各バンドを等時間で進む階段状の正弦波スイープを生成します。周波数の読み取りと進行状況を同時に表示します。Glasberg & Moore(1990)の関数 G(f) = 21.4 × log10(1 + 0.00437 × f) を採用し、20 Hzから20 kHzまでの約40.9 ERB幅を等分してWeb Audio APIでリアルタイム合成します。

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    ステップ数(16〜48)、長さ(12〜48秒)、方向(上昇・下降)を選んで再生します。上りと下りを1回ずつ聴くと、同じ限界が逆向きでも確認でき、耳や機器の特性を切り分けやすくなります。

    ヘッドホンで小さめの固定音量にし、周波数表示を眺めながら聴いてください。低域のバンドは数Hz幅、高域はキロヘルツ幅なので、低いほうがゆっくり進むのは設計どおりです。聞こえない帯域を追って音量を上げないでください。

    標準の32ステップ・24秒(1バンド約0.75秒)から始めるのが最適です。再生中は周波数表示を確認し、音が急激に小さくなる帯域や共振して濁る箇所を把握します。

    本ツールは全帯域で一定のデジタル振幅(固定dBFS)を出力します。特定の周波数で音量が大きく感じられるのは等ラウドネス曲線(ISO 226)による自然な聴覚特性です。

    聴こえない帯域を追いかけて音量を上げないでください。本ツールは聴力の診断を目的としたものではなく、気になる場合は耳鼻咽喉科の専門医にご相談ください。

    ERB(等価矩形帯域幅)の周波数グリッドと帯域幅一覧

    人間の聴覚における周波数分解能は蝸牛の聴覚フィルター帯域幅に依存し、等価矩形帯域幅(ERB: Equivalent Rectangular Bandwidth)でモデル化されます。

    Glasberg & Moore(1990)の式 ERB(f) = 24.7 × (4.37 × f / 1000 + 1) [Hz] によると、20 HzでのERB幅は約27 Hz、1 kHzでは約133 Hz、20 kHzでは約2,184 Hzへと拡大します。可聴域20 Hz〜20 kHzは約40.87 ERBの区間に相当します。

    本ツールの標準32ステップ動作では全区間を31分割し、1ステップあたり約1.32 ERBずつ進みます。低域で数十Hz刻み、高域で数千Hz刻みと跳躍しますが、耳にとっては各ステップが等しいピッチ間隔として知覚されます。

    知覚スイープ(標準32ステップ)の主要周波数とERB帯域幅対照表
    ステップ中心周波数 (Hz)ERB帯域幅 (Hz)次ステップ増分 (Hz)聴覚帯域の特徴
    02027+38極低域(サブウーファー体感域)
    15831+44重低音(バスドラム・ベース最低音)
    210236+50低域(ベースの芯・定在波多発帯)
    315241+58中低域(チェロ・男性ボーカル基音)
    743171+101中域(A4音高近傍・ピアノ中央域)
    131,281163+232中高域(明瞭度・金管アタック音)
    193,522405+576高域(外耳道共鳴・最高感度域)
    258,958993+1,412超高域(シンバル倍音・輝き)
    2812,9881,426+2,015可聴域上限手前(空気感・減衰境界)
    3120,0002,184到達(終了)可聴域理論上限(超高域限界)

    音響物理:一定dBFS出力と等ラウドネス曲線(ISO 226)の物理的差異

    本ツールが生成する正弦波信号は、周波数が変化しても常に一定のデジタル振幅(固定dBFS)を維持します。しかし実際に聴くと低域は小さく、3 kHz付近が大きく張り出して感じられます。これはISO 226:2003(等ラウドネス曲線)が示す人間の聴覚特性によるものです。

    人間の耳は外耳道共鳴(約3 kHz)により2〜5 kHzの感度が最も高く、100 Hz以下では感度が急激に低下します。本ツールは等ラウドネス自動補正をあえて行わないことで、再生機器や部屋のありのままの音響特性を客観的に検証できます。

    再生機器の物理限界と部屋の音響トラブルシューティング

    スイープ再生中に特定のステップで音が途切れる場合、主な原因と確認手順は以下のとおりです。

    • 小型スピーカーの低域限界:ノートPC等のスピーカーは150〜200 Hz未満を再生できず、ステップ0〜3は無音になります。
    • 室内定在波(Room Modes):反射波の干渉で特定周波数(40〜200 Hz)が打ち消され、座る位置によって音が消えます。
    • Bluetoothコーデックの制限:SBC/AACでは16〜18 kHz以上がカットされるため、高域端が聞こえない場合は有線接続で確認します。
    • サンプリングレート制約:OSが32 kHz等に制限されている場合、ナイキスト周波数(16 kHz)を超えるステップは再生されません。
    • 音量の追いかけ禁止:低域を聞こうと音量を上げると3 kHz付近で過大音量となり耳を痛めます。音量は一定に保ってください。

    よくある質問

    知覚スイープとは?

    20 Hz〜20 kHzを等間隔のヘルツではなく、耳の聴覚バンド(ERB)で等間隔に刻むスイープです。低域は細かくゆっくり、高域は大きく速く進み、ピッチが均一に上がるように感じられます。

    対数スイープと何が違いますか?

    対数スイープは毎秒一定の比率で動きますが、知覚スイープはさらに踏み込み、聴覚バンド単位で等間隔に進みます。そのため各ステップの「間隔」が耳に均一に聞こえます。

    低域で長く留まるのはなぜですか?

    聴覚バンドは低域では数Hz、高域では数kHzと幅が大きく異なるためです。1バンドあたりの時間を揃えると、低域はゆっくり、高域は速く動くことになります。

    聴き方のコツは?

    ヘッドホンで小さめの音量に固定し、上りと下りを1回ずつ再生します。音が消える・濁る箇所は機器や部屋の特性で、聴力の診断ではありません。

    音量を上げてもいいですか?

    いいえ。聞こえない帯域を追いかけず、最初の音量のままにしてください。長時間の連続再生は避け、こまめに休憩してください。

    等ラウドネス曲線(ISO 226)による自動音量補正はかかっていますか?

    いいえ。本ツールは全帯域にわたって一定のデジタル振幅(固定dBFS)で純音を出力します。ISO 226などの補正カーブは適用しておらず、聴こえの音量差そのものが耳の感度特性や機器の状態を示します。