ラウドネスメーター|LUFSを無料で測定
ピークメーターやRMSでは捉えられない「人間の聴感上の音の大きさ」を測定する、無料のオンラインラウドネスメーターです。ITU-R BS.1770-4に準拠したK特性補正とゲーティングによりLUFSを正確に算出し、主要配信サービスの正規化ターゲットと照らし合わせられます。楽曲全体を通した総合ラウドネスのほか、展開ごとの短期ラウドネス、ダイナミクス幅を示すLRA(ラウドネスレンジ)までブラウザ上で即座に算出します。
操作パネル
耳を守りましょう。小さい音量から始めてください。聞こえないからといって音量を上げないでください。表示はdBFS(デジタル基準の相対値)であり、SPLではありません。
使い方
ITU-R BS.1770-4に従い、K特性フィルター(高域シェルフ+高域通過)、400 msのスライディングウィンドウ(75%オーバーラップ)、絶対・相対の二段ゲーティングでIntegrated LUFSを算出します。絶対ゲートで−70 LKFS未満の静寂区間を切り捨て、通過したブロックの平均値から10 LU以上下回るブロックを相対ゲートで除外します。対数変換時の−0.691 dB補正により、国際標準規格に厳密に合致した数値を返します。
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音源を再生するかファイルを読み込むと、Integrated LUFS、Short-term(3秒)、Momentary(400 ms)、LRA(ラウドネスレンジ)がリアルタイムに表示されます。−70 LKFS以下の無音区間と、平均より10 LU以上小さい区間はゲートで除外されます。対応形式はMP3、WAV、FLAC、M4Aで、ブラウザ内でローカルにデコードされるためファイルがサーバーへ送信される心配はありません。
配信ターゲットとの差も確認できます。Spotify・YouTubeは−14 LUFS、Apple Musicは−16 LUFS、放送(EBU R128)は−23 LUFSが目安です。大きすぎるマスターはプラットフォーム側で音量を下げられ、圧縮による歪みだけが残ります。ターゲット比較表には各サービスで適用されるゲイン差(減衰量)が表示されます。
4種類のプリセット音源の活用:手元にファイルがない場合でも、ポップス(−14 LUFS)、ダイナミック(−18 LUFS)、放送規格(−23 LUFS)、クラブ用(−9 LUFS)の4つの校正済みプリセット(1 kHzサイン波4秒間)を選択してメーターの応答や表示挙動を即座に確認できます。
プレビュー再生と結果の読み取り:「試聴再生」ボタンで読み込んだ音声を確認できます(再生音量の変更はラウドネス測定値に影響しません)。上部の大きなバッジが楽曲全体の総合ラウドネス(Integrated LUFS)であり、マスタリング納品基準との比較にはこの数値を参照します。
スケールバーの目盛り確認:画面下部には−36 LUFSから0 LUFSまでの水平バーが配置され、Apple(−16)、Spotify(−14)、EBU(−23)、Club(−9)の基準ラインがマークされています。自作の音源がどの位置に着地しているかが視覚的に把握できます。
本ツールのPeak Levelはサンプルピーク(dBFS)です。納品時の厳密なトゥルーピーク(dBTP)測定にはオーバーサンプリング対応の専用メーターをご利用ください。
主要ストリーミングサービス・放送規格のラウドネス基準一覧
音楽配信プラットフォームやテレビ・ラジオ放送局は、リスナーが曲ごとに音量調整する負担をなくすため、ITU-R BS.1770に基づく自動音量正規化(ラウドネスノーマライゼーション)を標準導入しています。
各サービスが定める総合ラウドネス(Integrated LUFS)目標値と、DA変換時のインターサンプルピーククリップを防ぐためのTrue Peak上限値の一覧です。基準値を超えた楽曲は、再生エンジン側で自動的にゲインが引き下げられます。
| プラットフォーム/規格 | 目標Integratedラウドネス | True Peak上限 | ノーマライゼーションの挙動・特徴 |
|---|---|---|---|
| Spotify(公式推奨) | −14.0 LUFS | −1.0 dBTP(高音圧時は−2.0 dBTP) | 超過音源は減衰。−14 LUFSを超える音源には2 dBのヘッドルームを推奨 |
| Apple Music(Sound Check) | −16.0 LUFS | −1.0 dBTP | 独自のSound Checkアルゴリズムを継承。ダイナミクスを尊重した広めの設計 |
| YouTube | −14.0 LUFS | −1.0 dBTP | 動画音声の基準。−14 LUFSを超過する音声は一律に減衰(上方引き上げは原則なし) |
| EBU R128(欧州放送連合) | −23.0 LUFS | −1.0 dBTP | 許容誤差±0.5 LU(実務上±1.0 LU)。テレビ・ラジオ放送の国際厳格標準 |
| ARIB TR-B32(日本民間放送) | −24.0 LUFS | −1.0 dBTP | 日本の地上波・BSテレビ放送運用基準。CMと番組間の不快な音量差を排除 |
| クラブ/DJ用(現場プリセット) | 約−9.0 LUFS | −0.1 dBFS | 大音量PA環境での音圧感を維持するための現場慣行値(公的規格ではない) |
ITU-R BS.1770-4の測定指標とアルゴリズムの仕組み
人間の耳は周波数によって感度が大きく異なります(等ラウドネス曲線、ISO 226)。ITU-R BS.1770-4は人間の頭部音響特性を模擬したK特性フィルターを通した上で、エネルギー積分を行います。
ラウドネスメーターが算出する主要な測定指標と時間窓(解析ウィンドウ)の役割を以下にまとめます。
| 測定指標 | 時間窓(解析ウィンドウ) | マスタリング・ミックスにおける役割と見方 |
|---|---|---|
| Momentary(瞬間ラウドネス) | 400 ms(スライディング窓) | 瞬間的なアタックやキックの打点、音の立ち上がりとフェードの挙動確認 |
| Short-Term(短期ラウドネス) | 3 秒(スライディング窓) | サビやAメロなど楽節ごとの音圧感。人間が耳で感じるボリューム感に最も近似 |
| Integrated(総合ラウドネス) | 楽曲全体(二段ゲート処理) | 配信サービスへの納品判定に用いる基準値。静寂部分を除外した真の平均音圧 |
| Loudness Range(LRA) | 短期値の10%〜95%パーセンタイル | 楽曲全体のダイナミックレンジ幅(LU単位)。EBU Tech 3342準拠の統計評価 |
| Sample Peak(サンプルピーク) | 個別サンプル瞬時値 | デジタルクリップ(0 dBFS)の有無を即座に監視するための天井指標 |
ラウドネス測定の注意点とトラブルシューティング
ブラウザ環境でのラウドネス解析を正しく理解し、マスタリングの実務に役立てるための留意事項です。
- サンプルピークとトゥルーピークの違い:本ツールのPeak Levelはデコードされたサンプルの最大値です。DA変換やロッシー変換時のサンプル間飛び出し(インターサンプルピーク)を検知するには、4倍以上のオーバーサンプリングを備えたDAW用トゥルーピークメーターをご使用ください。
- 400 ms未満の短いオーディオファイル:ITU-R BS.1770規格の最小ブロック長は400 msです。これより短い効果音やドラムショットを読み込んだ場合、ゲーティング処理が行えず単一ブロックの参考値表示となります。
- ロッシー音源(MP3/AAC)のピーク跳ね上がり:不可逆圧縮された音源はエンコード時の高域位相変化により、元のWAVファイルよりもピーク値が0.5〜1.5 dB上昇することがあります。配信マスターの確認には非圧縮WAVまたはFLACのご使用を推奨します。
- マルチチャンネル音源の加重:本ツールはステレオおよびモノラル信号を等重み付けで計算します。5.1chサラウンド音源のサラウンドチャンネル(+1.5 dB加重)やLFE除外には対応していないため、主に音楽トラック(2chステレオ)の測定にご活用ください。
よくある質問
LUFSとは?
Loudness Units relative to Full Scaleの略で、ITU-R BS.1770-4で標準化された「人の知覚に基づくラウドネス」の単位です。LKFSと同じ意味で、ピークやRMSとは異なり聴感に近い値を示します。
K特性フィルターとは?
人間の耳の感度を模した2段のフィルターです。1段目は約1.7 kHzを持ち上げる高域シェルフ、2段目は40 Hz以下の超低域を落とすハイパスで、物理的なエネルギーはあるのに聞こえにくい帯域を除外します。
配信の正規化とは?
SpotifyやYouTubeはトラック間の音量差を揃えるため、目標ラウドネスを超えた音源を自動で減衰します。−9 LUFSでマスタリングしても−14 LUFSに下げられ、音量の利得は得られません。
LRAとは?
Loudness Rangeの略で、楽曲全体のラウドネス変動(LU)を表します。12〜18 LUはダイナミックなオーケストラや映画音楽、3〜6 LUは一定のエネルギーが続く圧縮された音源の目安です。
True Peak(dBTP)とSample Peakの違いは何ですか?
Sample Peakは記録されたデジタル標本値の最大振幅ですが、True Peak(トゥルーピーク)はDA変換時にサンプル間を補間して発生する波形頂点の飛び出し(ISP)を含めた値です。配信事故防止には−1 dBTPの確保が推奨されます。
マスタリングで音圧を上げすぎるデメリットは?
過度なリミッター処理で音圧を上げても(例:−8 LUFS)、ストリーミング配信時に自動で音量を引き下げられ、他曲と同じ大きさに揃えられます。結果としてダイナミクスの躍動感が失われ、歪みだけが目立つことになります。