ディザリング&ノイズシェーピング|量子化歪みを聴く

スタジオの高解像度音源をCD品質や低ビット深度へ変換するとき、適切な処理をしないと耳障りな量子化歪みが発生します。ディザ(TPDF)あり・なし、ノイズシェーピングあり・なしを切り替えて、スペクトルと聴感の違いを確かめられます。

耳を守りましょう。小さい音量から始めてください。聞こえないからといって音量を上げないでください。表示はdBFS(デジタル基準の相対値)であり、SPLではありません。

使い方

元信号にTPDF(三角確率密度関数)ノイズを加えて量子化する処理と、誤差フィードバックによるノイズシェーピングを組み合わせ、各方式の量子化ノイズをスペクトル表示で比較します。

ビット深度を16 bitから12・10・8 bitへ下げると、ディザなしでは信号に相関したざらついた歪みが増えます。TPDFディザを有効にすると、相関性のある歪みが無相関の白色ノイズに変わり、最下位ビットより小さい信号でも聞き取れるようになります。

ノイズシェーピングは誤差を高域へ追いやり、人間の耳が最も敏感な1〜4 kHzのノイズを減らします。オンにするとノイズフロアの形が変わり、知覚上のダイナミックレンジが10〜15 dB改善したように感じられます。

よくある質問

ディザリングとは?

ビット深度を下げる前に、TPDF(三角確率密度関数)の微小なランダムノイズを意図的に加える処理です。量子化誤差を信号から切り離し、耳障りな高調波歪みを無害なノイズに変えます。

ディザなしのビット削減はなぜ悪いのですか?

最下位ビット以下の信号が切り捨て・四捨五入され、信号に相関した高調波歪みとざらつきが生じます。小さい音では滑らかなサイン波が矩形波のようなブザーに、極小では不自然な無音に落ち込みます。

ディザは歪みを消すのか、隠すのか?

数学的には高調波歪みを完全に消し、無相関の白色ノイズに置き換えます。量子化ステップより小さい信号でもノイズの下から聞き取れるのは、その証拠です。

ノイズシェーピングの効果は?

量子化誤差を誤差フィードバックフィルターに通し、ノイズのエネルギーを1〜4 kHzの敏感な帯域から高域(15 kHz以上)へ移します。知覚上のダイナミックレンジが10〜15 dB改善したように聞こえます。24 bitから16 bitへのマスタリングで特に有効です。